市民による放射線量測定の会を立ち上げます! 

放射能 知って守ろう 子どもたち!〜緊急学習会に30名参加

7月11日放射能についての緊急学習会「放射能 知って守ろう こどもたち〜放射能の話&測定」を開催しました。「原発事故による放射能汚染の基本的事実をきちんと知ることで、漠然とした不安から解放されて、正しく怖がることができる!」と、NPO市民科学研究室 上田昌文氏より原発事故以来の経過と今の状況、福島の被ばくの厳しい現実、関東地方における放射能の飛来の経過と現状、内部被曝を避けるための対策などを講義していただきました。

気になる場所の放射線量を自分たちで測ってみようと、鹿沼公園に出て、測定実習を行いました。公園内での測定実習では、脱原発の思いや脱原発につなげる省電力の暮らし方についてなど参加者同士の情報交換が活発に交わされていました。砂場、蓮池のそば、散歩道草むらなどそれぞれ地上100cm、50㎝、地表の空間線量を測定したところ、測定値は、0.047〜0.062マイクロシーベルト/毎時でした。これは自然界に通常存在する放射能線量(0.03〜0.06マイクロシーベルト/毎時)の ほぼ範囲内ということで、安心してよい線量であるとの上田先生の説明に、参加者みんなで少しほっとしました。

学習会において測定箇所希望を募り、学習会後と翌日、希望者とともに追加測/定を実施しました(淵野辺公園、上溝、北公園、東淵野辺)。芝生の上、落ち葉の上で比較的高い測定値(0.09マイクロシーベルト/毎時)がでました。その折、「0.09マイクロシーベルト/毎時の芝生では2歳の我が子を遊ばせられない。」との若いお母さんの言葉に私も大きくうなづきました。公園の隅などでも土埃の吹き溜まる所で線量が高いのも気になりました。風に舞い上がる土埃を吸い込んでしまうことも心配です。落ち葉の表面に放射性物質が吸着しているらしく、落ち葉を取り除くと測定値が下がることがわかりました。落ち葉を片付ける、草を刈る、土埃を避けるだけでも被爆の低減が可能なようです。しかし、刈り取った草や落ち葉の処理をどうすればいいのか?焼却処分しても、水で洗浄しても、埋めても何十年も何万年も無毒化できず環境の中に拡散しあるいは濃縮さえしていく放射性物質の前に無力感を禁じえません。だからこそ、すべての原発は廃炉にし、省エネと新しいエネルギーへのシフトを進めることこそが、「フクシマ」を経験した私たちの結論でなければならないと心底思います。

そして、「子どもを放射能から守りたい」と思うおおぜいの当事者が なるべくたくさんの「気になる所」の測定をして、その情報を共有し、対策をみんなで考える事は、今、目の前の子どもたちをしっかりと守るために必要です。どの子も不要な被ばくをせず元気にのびのび遊べるように、ぜひ、あなたの「気になる所」の放射線測定を一緒にしましょう。市民の私たちができること。市の対策としてできること。一人で悩まず、みんなで考えましょう。測定結果や測定して考えたこと、信頼できる情報の共有など、このHPにも、公開していきたいと思います。測定したい場所のある方、神奈川ネットワーク運動・さがみはらまでメールもしくは電話ファックスで どしどし申し込んでください。測定器を持って駆けつけます。
                        
「食」をとおしての内部被ばくも大変心配です。食物、水に関しての暫定基準値がとてつもなく(無責任に)甘い日本で、私たちはこれからどのようにして、子どもたちを守ることができるのでしょうか?暫定値の見直しは当然のこと、そもそも安全な被ばく量なんてないのですから、よりいっそう、ひとりひとりが「知って選ぶ」ことができるように食べ物の放射線量を知る事が出来るしくみが必要です。給食のこと、家庭での食事のこと、生産者のことをみんなで知り、しっかりと問題に向き合い「今、なにが私たちにできるのか」みんなで考えることで、私たちは子どもたちの未来のために、より賢明な選択をしていくことができるのだと思います。

こんな今だからこそ、大人はくじけるわけにはいきません。子どもたちのために、しっかりと前をむいて、希望の未来を暮らしの足元からつくっていくための市民の話し合いをひろげていきたい。正解の見えない未知の難問ばかりですが、おおぜいが関われば関わるほど、より良い「みんなの答え」をだしていけるのだと思います。おおぜいの市民の思いをこめた、「子ども未来プロジェクト・さがみはら(仮称)」を立ち上げたいと思います。

               山本ひろ子