水資源を活かす「水力発電」も身近な小水力で-津久井発電所を見学して-

水の力を利用した水力発電は、二酸化炭素や有害な廃棄物を排出しないクリーンな自然エネルギー、そして水エネルギーの約8割を電気に変える効率の良い発電方式として見直されています。

相模原市緑区にある津久井発電所は、全国公営電気事業の第1号の発電所として昭和18年に運転を開始し、河川の流量を確保する分水池として重要な役割を担う最大出力25,000kWの発電所です。高低差45メートルという自然の地形を利用した方法で、ポンプを回す電力を使うことなく発電を行っています。

水資源の豊富な神奈川県ですが、全部の水力発電所でまかなっている電力は、全体のわずか1%以下、一般家庭10万世帯分(茅ケ崎市の世帯数に相当)しかないそうです。また、大きな水車式発電機は約45億円とコストが高く、発電に適した場所が限られるといった問題もあります。

水力発電は、高いところから低いところへ流れる水の力で24時間電気を起こすことができます。小規模の発電システムでも十分な出力を得ることができる特徴を活かした小水力発電が注目されつつあります。水利権や売電単価が低いなど問題はありますが、制度作りに向けて提言していく必要があると思います。
                                 (渋谷美由紀)