相模原市の就労訓練事業
生活困窮者自立支援制度は2015年4月にスタートし、ほぼ3年が経過しました。
相模原市は制度で任意事業と位置付けられている就労訓練事業に取り組んでいます。2月6日、神奈川ネット就労支援プロジェクトのメンバー9人で市役所を訪問し、事業の現状と課題についてお話を聴きました。
市では、3区それぞれの福祉事務所に自立支援相談窓口があり、直接雇用の相談員2人と委託事業所のキャリアカウンセラー1人が対応、橋本にある市の総合就職支援センターと連携し、相談者を必要な支援につなげています。また、就労訓練事業の実施促進のため同委託事業所から1人が就労訓練事業所育成員として、事業所への説明会の開催や事業所開拓のための個別訪問、認定申請の支援、利用者と事業所の調整等を担っています。
現在18事業所が認定就労訓練事業所として市の認定を受けていて、その内訳は、NPO法人2、社会福祉法人3、株式会社11、有限会社1、合同会社1です。2016年度の訓練事業の実績は、実人数で困窮者18人、生活保護受給者12人です。そのまま受け入れ事業所に就職した訓練生はいません。事業所がなかなかみつからないこと、受け入れ事業所へのフォローの必要性などが課題になっているということです。
プロジェクトメンバーからは、事業所に何のメリットもない認定システムが受け入れの幅を狭めているのではないか、NPO法人や社会福祉法人などが認定事業所となった場合加入できる社協の行事保険に、株式会社は加入できないなどの問題点が指摘されました。
困窮者を就労支援につなげるためには、相談窓口が入口となりますが、相模原市では、各まちづくりセンターに配置されているコミュニティソーシャルワーカー(CSW)の役割が大きいとのことでした。相談窓口には、高齢者や障碍者など福祉サービスの必要性が高い人の相談が多いという現実もあります。就労支援が必要な、特に若い人を支援につなげるために、今後は、教育現場との連携、市の総合就職支援センターの機能などに注目し、調査を進めていきます。